≪英語上達への道≫③

《英語上達への道》第三弾

こんにちは。高槻校Zebrasクラス担任のAkaneと申します。

今回は私の英語習得までの道のりを僭越ながらご紹介させていただきます。

両親がGVの保護者の皆様のように教育熱心だったおかげで、私が英語と出会ったのはごく幼少期でした。英語の教材やディズニー映画のビデオやDVDを繰り返し観たり、CDを聴いたりして、聴き覚えた歌を家族で歌っていたことを覚えています。後で聞いた話だと、母は私たちが遊んでいる時には英語の歌のCDを流していて、音が止んでいることに気づくと慌てて再生スイッチを押しに行ってくれていたそうです。

そんな風に「音」として覚えた英語やフレーズは中学生になって本格的に英語を勉強し始めてからも時々ふっと記憶に蘇ってきました。何気なく口ずさんでみると、それまでカタカナの呪文のようだった歌が、歌詞を見ずとも当時の「音」の記憶だけでみるみるうちに意味を成す文章へ変わっていったのです。例えば、当時大好きだったディズニー映画の「ライオンキング」冒頭の、悪役スカーが歌う「Be Prepared」、小さい頃は「びーぴーぺー!!」と大声で歌っていました。十数年後にふと思い返してみると、その音節が自然と「Be Prepared」というフレーズに変換され、「ああ、こういう意味だったのか!」と非常にスッキリしました。このようなことが多々あり、これにはびっくりして、今思えばこのとき初めて「英語って面白いなぁ!」と思いました。今でも時折、妹とどれくらい歌やセリフを覚えているか競ったりし、お互いの覚えている場所の違いや記憶を補い合って一曲が完成していく様子を楽しんでいます。園で毎日のように英語の歌やフレーズのシャワーを浴びている子ども達にも、いつかこんな気づきの瞬間が訪れるんだろうと考えるととてもワクワクしてしまいます。

中学校からはインターナショナルスクールと併設されている私立の学校へ通い、文法などの勉強の他にネイティブの先生方による授業もありました。帰国子女のクラスメートもいて、英語のクラス分けは一番基礎的なクラスからのスタートでしたが、それまで公文で英語を細々と続けてきたおかげで良好な成績を維持していました。英語には日本語では馴染みのない文法もたくさんありますが、それまでの英語の経験のおかげで、まだ習っていない英語の構文でも、間違った英文に対して「違和感」を感じることができました。この「違和感」のおかげで比較的楽に自分の間違いに気づくことができ、英語の勉強を楽しいと思えるようになったのだと思います。

高校生の夏休み、家族ぐるみでの付き合いがあったカリフォルニア出身の家族のところへホームステイさせていただく機会がありました。まずあちらの家族から一人、大阪へ数ヶ月の間滞在してくれて、大阪観光や京都観光へ同行し、自分の言葉で日本文化を伝えることができることに達成感を覚えました。ところが、いよいよ自分の番になってカリフォルニアへ渡ってみると、やはり周りのスピードが速く、自分の思うようには英語を話せませんでした。一対一の時は相手が私が文章を考えたりゆっくり話すのを待ってくれるので、なんとか話せるのですが、それにももどかしさや申し訳なさを感じ、焦ってしまってますます話せないという悪循環に陥ってしまいます。こんなに英語が話せないなんて、これではいけない、と奮い立った私はますます英語にのめり込んでいくようになりました。学校でもエッセイやプレゼンテーションといったアウトプットの課題が増え、必死についていく中で、覚えた原稿を発表することには抵抗が少なくなりました。しかしやっぱり海外での雑談で聞いたような自然な英語は使えません。この状況を乗り越えるべく、楽しまなければ始まらない、とゆる〜く堅苦しくない英語の勉強を試行錯誤してみることにしました。ハリーポッターが好きだったため、英語版の本を読み漁ったり、映画の中のハリーやハーマイオニーのセリフをシャドウイングしたり、好きなミュージカルの歌詞を全幕分覚えたり、と遊び半分で英語に触れる時間を増やしたり、独り言を全部英語で言ってみたり、英語で日記をつけてみたり、など自分なりに色々と試してみました。それでもペラペラと英語を話す、という感覚には近づかず、「英語を話せてすごいね!」と言ってもらえても「これは話せている内に入るのかな。」と素直に喜べず、好きなセリフを見ては「Exactly!って使ってみたいなぁ。」などと思ったり、毎晩神様に「英語が話せるようになりますように。」とお願いしたりしていました。

そんなこんなで、リスニングは心配ないし、読み書きにも自信があるけど話せない、という状態のまま、大学生の時に留学する機会が訪れました。留学先では各国からの留学生が集まる寮へ滞在しました。毎晩寮生と一緒にご飯を食べたり、その後には団欒の時間が設けられていたり、他の寮生と話す機会がたくさんあり、久しぶりの海外でどのくらい話せるだろうか、と積極的に参加していました。留学生で、英語が第二言語である、という状況は同じでも、国によっては小さい時から当たり前に生活の中で英語を使ってきた、という子が多く、ハイスピードで雑談が繰り広げられます。特に複数人での会話の時、様々な方面から飛び交う英語の理解も追いつかず、理解できても言いたいことを言いたいタイミングで英語に変換できず、大縄飛びに入るタイミングをずっと逃しているような状態でした。話す内容も多岐にわたり、学校や友達の話から、それぞれの国の政治の話、他の寮生の勉強している専門分野の話など、今まで考えたこともないトピックスに興味を惹かれつつも、全く意見のない自分に辟易することもありました。

もともとあまり口数の多いほうではないことも手伝い、何時間も一緒に話していたのに、私はただニコニコと笑っているだけだったと言う状態が数ヶ月続きました。へこむこともありましたが、それでも、とても暖かな環境だったおかげで集まりに参加することをあまり億劫に感じることなく、「今日はこんな話を振ってみよう。」「この前のディスカッションが興味深かったから自分の意見を用意してみよう。」とその日の雑談に向けて準備し、挑むような気持ちで毎晩夕飯の席についていました。その傍で特に仲の良い友達も増え、一対一の会話で気兼ねなく会話できるようになった頃、複数人の雑談での会話が以前より楽に聞けるようになり、スムーズに自分の意見が言えるようになっていること、憧れていた英語のフレーズも自然に使えていることに気づきました。これでやっと「英語を話せます。」と自信を持って言える!と嬉しく思いました。

私がまだ公文式で英語のプリントに取り組んでいた頃、当時の先生だった恩師が「英語の学習は漆の重ね塗りのようなものだ。」と教えてくれました。漆は重ねて塗れば塗るほど層が厚くなって強度が増し、より色鮮やかになるといいます。それと同じように英語の学習も、どんな媒体であっても、どんな順であっても、英語に触れる時間を増やすほど、より確固たるものとなり、新しい世界を広げていくための地図のような役割を果たしてくれることでしょう。

毎日英語に囲まれた生活を送り、生き生きと英語を使いこなしているグローバルの子ども達も「英語が好き!」「英語が話せる!」という好奇心と自信を持ち続けながらこれからの人生を歩んでいって欲しいと思います。幼少期より英語に触れる機会を与えてくれたことを私は両親に感謝しています。母は英語が必ずしも得意な訳ではありませんが、ある時私に、私たちの小さい頃に英語を与えたおかげで、母自身も私たちと一緒に英語を学べたことが楽しかった、と言ってくれ、とても嬉しく思いました。GVの保護者の皆様も、英語が得意な方もあまり自信のない方も、ぜひ、毎日頑張ってくれている子ども達と一緒に英語の世界に飛び込んでみてくださいね!

Akane

 

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