みなさん、最近笑っていますか?このコロナ禍でのマスク生活の中、人前でマスクを外し笑顔を見せることも少なくなりましたよね。
そんなすこし気持ちがすさんできている私たちですが、今日は「世界一幸せな動物」と呼ばれているかわいらしい動物を紹介します。ポケモンのピカチュウのモデルとも言われています。
その名は「クオッカ」オーストラリア固有の有袋類でワラビーの仲間です。私はこのクオッカに会いたくて会いたくて、西オーストラリアのPerthに行きました。残念なことにこのクオッカはロッドネス島、ボールド島など限られた場所にしか住んでいません。日本には埼玉県のこども動物自然公園にいます。なぜ、幸せな動物なのか、それは、彼らの口元に秘密があります。下から見ると口角が上がっておりニコッと笑っているように見えるんです。いつも幸せそうに微笑んでいる、そんな愛らしさから「世界一幸せな動物」という名前がついたようです。
さて、クオッカ達が生息しているロッドネス島はPerthからフェリーにのっていきます。島に着いたら「Rottest is Home of the Quokka」と書かれた大きなサインの横にクオッカの親子の写真が乗船者を迎えてくれます。もうこの時点での私のワクワク感はすごいものでした。高鳴る気持ちを抑えきれず、きっとニヤニヤしていたと思います。レンタル自転車を借り、いざ、クオッカ探しに!とこぎ出したら、何か茶色っぽい物体が道の脇にごろっといます。「えっ?何?」と近づくとそこには、クオッカ!!「おお!これが本物のクオッカ、動いてる!毛硬そう!尻っぽ長い!ネズミっぽい!」ともう軽くパニック状態です。慌ててカメラを取り出そうとしている間に、ピョンピョン~と跳ねその場から去っていきました。傲然と見送りながら「跳ねてる・・・」とつぶやいている自分がいました。感動のご対面で、一気にテンションが上がり、自転車に乗り景色や海風を堪能しながら走ると、何やら人が集まっています。そうです、みんなクオッカを見つけカメラを片手に写真を撮っているのです。「クオッカと一緒に写真を撮ったら幸せになる」そんな事を聞きた世界各国からやってきたクオッカファンは、みんな律儀に順番を守り、じっと自分の番を待っています。ただし、相手は野生の動物です、気が向いたらまたピョンピョン~と去って行きます。そして、野生なので餌付けは禁止、菌をもっているので触ってもだめと、固有動物を守るための規則があります。なので、みんな自分の方を振り向かせようと落ちてる草を振ってみたり地面に寝転んで距離を縮めたり「大人の必死さ」を垣間見ることができました。その姿はどこか滑稽ですが(自分を含め)夢中になる姿は年齢関係なく老若男女、世界共通なんだな~としみじみ感じたのでした。
このクオッカ、好奇心旺盛な子もいます。カメラを向けたら、ピョンピョンとカメラに向かってやってきます。私の場合、正面の子に必死になっていたら、横からピョンピョンとやってきて、私の腕に手をのせてきました。「ちゃんと指がある!可愛いすぎる!」と腕をつかんでいる子をドキドキしながら見つめていると、「See you~」という感じでまたピョンピョン去って行きました。
クオッカはみんな顔が違ってます。目が小さめ、体が大きめ、鋭い目つきの子、親子一緒にいるなど島の至る所で見られます。レンタル自転車にのったクオッカファンは自分のお気に入りを探し島を走ります。その道中色々な人に出会いました。クオッカに夢中になって、地面に這いつくばっている旦那様を眺め、あきれかえっている奥様と遭遇したり、向こうにいるよと互いに情報交換したり、小さな島の中で、クオッカファン達の絆のようなものを感じました。
真夏の強いジリジリした日差しを受け、アップダウンの多い島を1日中自転車を走らせ心地よい汗と疲労感、そして念願のクオッカに出会えた喜びと達成感を胸にインド洋に沈んでいく夕日を眺め帰りのフェリーの中で沢山のクオッカの写真を眺め1人ニヤついたのでした。
その後、私は連日島に通い、1日自転車を走らせクオッカ達と戯れました。
コロナ禍が終息し、世界中に通常な生活がもどった暁には、またこの可愛いクオッカ達に会いに行きたいと思います。
Mitsuyo